創傷治癒

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組織の損傷が生じた時、
通常は時間とともに傷んだところは修復される。

はじめの1週間は炎症が生じる。
好中球が細菌を取り囲み殺菌、
マクロファージが死んだ細胞を取り込む。
フィブリンを溶解しながら、
血液は凝固される。
これらは痛んだ組織の掃除と
血を固めるまでの過程となる。

次の2週間で修復の準備が始まる。
表面が膜で覆っていく上皮形成。
そして内皮細胞と線維芽細胞が集まってくる。

その頃になると傷んだところの修復も本格的になる。
修復にはムコ多糖類とコラーゲンが必要である。
ムコ多糖類はいわゆる接着剤のようなもので、
コラーゲンは繊維質のようなものである。
線維芽細胞が傷んだところに対して、
ムコ多糖類とコラーゲンを分泌し、
傷んだ部分を埋めていくようになる。

さてこのコラーゲンだが、
タイプにより特性が違ってくる。
組織が傷んではじめの1週間は
コラーゲンタイプ3の分泌が多い。
それが2週間になると
コラーゲンタイプ1の分泌が多くなる。

コラーゲンタイプ3は関節包に多く含まれるタイプ。
臓器にも多く含まれ、
細い繊維で柔軟性を与えるのが特徴である。
コラーゲンタイプ1は腱や靭帯に多く含まれるタイプ。
反発力を持たせる働きがある。

傷んで間もない状態で無理して過度に動かすと、
低酸素や炎症が続くことになる。
カラダはこの傷んだところはよく動かす部位と判断し、
柔らかい線維での修復をメインで行う。
柔軟性の多いコラーゲンタイプ3や、
未成熟組織(非線維性コラーゲン)である、
コラーゲンタイプ4などで修復をする。
このコラーゲンタイプ3や4はよく動く反面、
弱く過度に動きやすくなる傾向がある。

また逆に不動が強いと、
カラダはあまり動かさない部位と判断し、
硬い線維での修復をメインで行う。
組織がかたまってしまうと、
可動域が減少しこわばりやハリ、
ツッパリなどの痛みの原因となる。

以上のことから早期に動かし過ぎると、
弱く過度に動きやすくなる傾向になり、
不動が強いと固く可動域制限を生じてしまう。

基本的には動かすことを推奨し、
表情が変化するほどの痛みが生じる動作は
制限するといった程度が良いのではないだろうか。
動かし過ぎず、固めすぎず。
ほどほどの頃合いを説明することが、
とても重要な役割となるのではないだろうか。

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1)Davidson JM:Wound repair.In:Inflammation,Basic
Princeples and Clinicalcorrelates.2nd ed (eds by Gallin JI,
Goldstein RM & Snyderman R).pp809-819,Raven Press,
New York,1992

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。