妻の怒りと神対応

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妻の怒り・・・。
それは夫にとって恐ろしいものである。
いざ引き金を引かせてしまったら最後、
木っ端微塵に何発の貫通される言葉の雨。

それは今の出来事に止まらず、
過去の今までの出来事が総決算で引き出され、
時系列が処理しきれないままに、
夫は見るも無残な状態となる。

どんな夫婦でも一度や二度、
いやいやしょっちゅう
このようなことが繰り広げられているかもしれない。

怒りの中身

妻の怒り。夫にとってそれは突然やってくる。
ドアを開けっ放し、
便座の蓋を開けっ放し、
靴下を床に投げっぱなし、
電気をつけっぱなし、
風呂の蓋を開けっ放し、
まあ大抵やりっ放しが多い。

「これだけのことで・・・」とか
「やってくれれば・・・」とか
そんなことを思うこともあるかもしれない。

しかしこれらは実は
女性特有の防衛本能からくるもの。
女性は常に子どもや家庭を守るため、
常に無意識にセキュリティーチェックを、
行い続けている。

例えばドアを開けっ放し。
子どもが誤って外に飛び出して、
車にはねられてしまうかもしれない。
知らない人が家の中に入ってくるかもしれない。

便座の蓋が開けっ放し。
誤って座ることで、
ハマってけがをするかもしれない。
また子どもがその水をすくって、
そこら中を水浸しにして汚したり、
その水を飲んだりするかもしれない。

靴下を床に投げっぱなし。
洗濯物カゴを持ちながら、
忙しく育児をしていると、
それに滑って転けてけがをするかもしれない。
子どももそれに滑るかもしれない。
汚い靴下を口にするかもしれない。

そういった無意識の防衛本能は、
言語化が難しいため、
「何回言ったらわかるの?」
「何で私の仕事を増やすの?嫌がらせ?」
などと何でそんなに怒ってるのか。
と思うような言葉でうんざりする。
しかし、これは自分や子どもを
守るための大切な妻の機能なのである。

防衛本能が強い女性は、
どちらかというとネガティブ思考が働きやすい。
「もしこうなったらどうするの?」
「本当に大丈夫なの?」
「何で変わったことばかりやろうとするの?」
防衛本能がそうさせるのである。

そのため目の前で起きたことからでも、
感情的な長期記憶を
ついさっきあった出来事のように、
次々と思い出し、感情的な言葉にし、
夫へマシンガンのように打ち込むのである。

ネガティブは守るために重要である。
もしこんなことがあったら・・・。
本当に大丈夫だろうか・・・。
そうすることで
家族を守る妻の能力が発揮されているのである。

会話のNG

こうした女性の防衛本能は、
家族を守る重要な働きであることを
夫は理解しなければならない。

そして一途な人ほど、
パートナーに頼り期待する。
それが怒りに変わり、
感情をそのまま夫に対し表現する。

女性も当然、男性の脳は理解していないので、
なぜ夫はこんなこともしようとしないのか。
私のことを大切に思っていないのか。
疑問に思う。
女性は行動文脈が長いため、
ついでに行動ができる。
歯磨きをするついでに鏡を磨く。
席を立つついでにテーブルを拭き、
コップを流しに持っていく。
トイレに行く時に、
ついでに残り少なくなった
トイレットペーパーを棚から出しておく。

男性はトイレに行ったら
排尿をするので精一杯だ。
せいぜい、便器から尿が溢れないように
細心の注意を払えば偉い方だ。
だから一つのことしかできない。
妻と同じことをやろうとすれば、
ストレスは女性よりも大きなものになる。
ねぎらうことが大切である。

さて女性が妊娠・出産・授乳になると、
この防衛本能はさらに高くなる。
種を放出すれば子孫を残せる男性と比べ、
女性はそれを育てていかなければならない。

ホルモンも目まぐるしく変わる。
プロゲステロンが胎盤を作り、
子宮の収縮を和らげ、乳腺を発達させる。
エストロゲンが子宮を大きくし、
プロラクチンが母乳の生成をする。
血流量は40%増加し、鉄も多く必要とする。
母体は貧血となり、
ボロボロの体で子どもを育てる。
はっきりいって生きるのに精一杯で、
子どもを守るのに精一杯で余裕は全くない。

そんな状態で、
「うちのおかんはつわりは
病気じゃないっていってたよ。」
「楽なお産でよかったな。」
「仕事の方が家事や育児より大変よ。」
「ご飯作るの大変そうだから食べてきたよ。」
「夜ねれなくても昼寝れるからいいな。」
こんな言葉を言おうものなら、
これから一生根に持たれる。

男性と女性の脳の違い

男性は結果重視でポジティブ寄り。
空間認知力に優れるから
道具の扱いが得意。

女性はプロセス重視でネガテイブ寄り。
行動文脈が長くマルチタスク
(いくつかのことを同時にする)が得意。
直感に優れすぐに言語化する。

この違いがお互いを魅力的に感じ、
引き付け合うことにつながる。

生物多様性の論理であり、
タイプの違う相手との掛け合わせの方が、
子孫の生存確率は上がりやすい。
子どもに両方の特性が
手に入りやすくなるためである。

同じタイプの方が穏やかな関係を築けるが、
そういうタイプは異性としての魅力がないため、
セックスレスになりやすい。

自分と違うタイプというのは、
いわゆるフェロモンで感じる。
HLA遺伝子によってそれは決まる。

何となくいいな。
というのは実は遺伝子が
違うタイプと認識したためかもしれない。

違うタイプだからこそ理解が難しい。
だからこそ子どもに両方の特性が得られる。
両方の特性を生かすことで、
家庭はより強いものとなるのである。

けなし合うこともできるが、
認め合うことこそ、
それぞれの特性を生かす方法となる。

妻の喜ばすきっかけ

女性は防衛本能が強いため
ネガティブ思考で様々なアンテナを張り巡らす。

そして行動文脈が長く、
マルチタスクに対応するため、
男性の見えている仕事より、
より様々な仕事を実はこなしている。

総務省統計局の平成28年の
社会生活基本調査では
6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児時間は
夫 1時間23分 妻 7時間34分

圧倒的に女性の時間が長い。
例えばゴミ捨て一つにしても、
夫は”ゴミの入った袋をゴミステーションに持っていくこと”
と考えているが実は男性の見えてない仕事がある。

・ゴミ箱の適切な配置
・ゴミ袋を分別ごとに用意
・分別してゴミ袋に入れる
・曜日ごとに分別したゴミを出す
・外側から見られたくないものが見えないか確認
・袋が破れていないかチェック
・空気が入らないように結ぶ
・ゴミ箱が汚れていれば掃除をする
・新しいゴミ袋を取り付ける
・ゴミステーションにゴミを捨てる

このようなことを男性の脳でやろうとすると、
失敗のリスクが高くなる。
失敗して「あ!忘れてた!!」と言おうものなら、
「私は簡単に忘れられる存在なの?」
「気が付かないのは私のことも気にかけてないから」
となってしまう。

男性がやりやすいものでは、
・氷の水を切らさない
・コーヒーを切らさない
・肉を焼く
・米を炊く
・木の剪定
などが手伝うには向いているものとなる。
頻度があまり多くなく、
マルチタスクが少ないものが良い。

手伝いも大事だが、
失敗のリスクもあるので、
何よりも日頃の会話や労いの言葉が大切である。

女性の会話は”気持ち”と”事実”の二つの軸で話す。
男性の会話は”事実”だけである。
“気持ち”が重要なので
そこを共感・肯定することは大事である。

「今日駅の階段で転けそうになったんよー。」
と言われて、
気持ちを無視して事実だけ見ていると、
「急ぐから危ないよ。もっと早く家を出てって
いつも言ってるだろ。」と言ったら不機嫌になる。
そして何より転けた話でなく、
転けそうな話をしたのか不思議でしょうがない。

ここは「危なかったねえ。怖かっただろ」
と”気持ち”に対する共感が重要である。

ケーキを選ぶときに、
「この生クリームたっぷりのケーキ美味しそう。
一緒に食べようよ。」
と言った言葉に対して、
「生クリームちょっと濃いわ。」
「また太るぞ。」
ではなく、
「お。美味しそうだ。
生クリームのふわっとした感触たまんないよね。
今日はフルーツタルトにしとくわ。」
と”気持ち”を共感すれば”事実”を否定しても問題ない。

こういう会話の共感も、
女性特有のセキュリティシステムとして働く。
女性同士で敵を作らないためというのも当然だが、
危険なことや怖かったこと、
自分ではない人のことでも共感することで、
記憶に留めることができる。

夫が体調が悪いと言ったときに、
そういえば近所の鈴木さんの旦那さんも、
こんな症状で肺炎だったと言ってた。
念のため病院に連れて行かなきゃ。
とかいう思考が作られる。

女性はこのように
常にセキュリティシステムを駆使して、
家庭を守ろうとしている。

常に4歳児出会っても
大人の女性並みの自我が形成されている。
それが思春期にはさらに大きくなり、
世界より自分が大きくなることも少なくない。

みんなが自分のことを見ている。
自分がちゃんとしなければならない。
そんなことを考えていたりする。
いつも不安が付きまとい、
褒められれば存在が肯定された気になり、
叱られると人格を否定された気になる。
このまま社会に出ると生きづらい。

いつも不安で自分は否定ばかりされて、
ダメな人間なんだと自己嫌悪に陥る。
そこは父親の存在が重要である。

娘と妻が口喧嘩をしているとき、
夫はどちら側につくか。
「どちらが正しいか関係ない。
お母さんを侮辱した時点でお前の負けだ。」
そう言ってあげることも大切だ。

自分が全てでなく、
母には敵わないんだ。
世界で自分が一番ではないんだ。
そう感じることで肩の荷が降りるかもしれない。

娘に嫌われるのが心配かもしれないが、
母を大切にする父を嫌うことはない。
そして妻も自分を一番と思ってくれる言葉を
きっと忘れはしないと思う。

まとめ

妻、女性とことん面倒だと思うこともあるが、
実は家族を守ろうとする無意識の本能だと思うと、
とても柔順で素敵に思えてくる。

能力が違うが故に、男性のやりっ放しの危険を
ちゃんと認識してくれている。
また行動文脈が長いので、
目に見えない様々な仕事もこなしてくれている。

タイプが違うからこそ、
納得できないところもあるが、
その違いが子どもの遺伝子には
幅広いスキルを与える。

事実のみを見るのではなく、
“気持ち”をしっかりとくみ取り、
少しでも安心した生活が行えるように、
夫が守ってあげることも必要なようだ。

夫が守るべきものは物理的な危険だけでなく、
妻の精神的な危険なのかもしれない。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。