広いアプローチと深いアプローチ

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アプローチにも広く行うものと、
深く行うものに分かれる。
どういうものか説明していく。

広いアプローチ

広いアプローチは運動連鎖や筋膜連結を考慮する。
腰痛がある症状に対し胸腰椎移行部や
股関節のアプローチを行うもの。

運動連鎖で考えると胸腰椎移行部や
股関節の可動域が改善するので、
腰椎の過剰運動性が軽減される。
その結果症状が減少するものである。

また筋膜連結で考えると脊柱起立筋の過緊張は、
胸腰椎の椎間関節や股関節の筋膜と膜状で連結する。
筋膜は関節包に嵌入するため、
関節包周囲の軟部組織の改善は周辺筋膜にも影響が波及する。

深いアプローチ

深いアプローチは深部の筋や関節包を考慮する。
深部の筋ではトリガーポイントが有効であり、
深層の筋硬結が痛みの原因になる。
関節包ではより深い部分のアプローチとなる。

広いアプローチと深いアプローチの使い分け

広いアプローチと深いアプローチは
それぞれにメリット・デメリットがあり、
使い分けることが重要である。

広いアプローチは急性期でも使えるのが特徴である。
炎症がある局所を触ることができない場合でも、
離れた部位をアプローチすることで
ある程度患部のストレスを軽減することができる。

また広い範囲で効果が波及するので、
問題のある部位が特定できていなくても
ある程度効果を出すことができる。

あとはソフトな手技を選択することで、
痛みが増強するなどのリスクを軽減することができる。

深いアプローチは安定期で必要不可欠である。
急性期や亜急性期のような生理的な病態でない場合、
癒着や拘縮といった物理的な問題がメインとなる。
こうした場合は広いアプローチでは効果が薄く、
より問題箇所そのものに直接対処する必要がある。

ただ深いアプローチはテクニックに熟練が必要であり、
急性期や亜急性期前半に行うことで
痛みがさらに強くなることも起こりやすい。
病期の認識と評価の正確性、
テクニックの熟練度など多くの要素が必要となる。

まとめ

アプローチには広く影響を起こすものと、
深く影響を起こすものがある。
広いものは急性期に有効であり、
深いものは安定期に有効である。
広いアプローチは影響が波及し合うメリットがある反面、
効果としては薄くなってしまう。
深いアプローチは効果的であるが、
病期を間違えると悪化するリスクがあり、
熟練が必要だというハードルも存在する。
それぞれ使い分けることで、
より病態や個人に合わせたアプローチを
選択することができるのではないだろうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。