よくなる時と悪くなる時

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症状は日々変化する。
良い時もあれば悪い時もある。
アプローチや治療体操により、
一時的に良くなっても
それだけで症状が消失することはあまりない。

根本的な原因は日常生活にあるためである。
例えば右の肩が慢性的に凝る人がいるとする。
アプローチをして肩の凝りがなくなったとする。することで、
しかし、家に帰りテレビを見ていると、
いつの間にか同じように凝ってしまったと言う。

この場合、肩凝りを改善することも
確かに大切であるが、肩が凝る原因となる
テレビを見る姿勢に焦点を当てる必要がある。
テレビは左にあるのでテレビを見る時は、
常に首を左に向いていることになる。
頸椎は左回旋の肢位を維持し、
関節はその肢位で硬くなってしまう。
右椎間関節の副運動が低下するとともに、
右椎間関節と筋膜連結のある右肩の筋筋膜が、
伸張されるとともに伸張刺激によって、
過緊張になってしまうのである。

ただ調子が悪い時ほど、
“どうすれば良くなるのか”に意識が向きやすい。
痛みが嫌なので良くなる方法を
探すのは当然と言えば当然である。
しかし、よくなる要因を探すのは実に難しい。
よくなる要因は非常に多くの因子が関わるためである。
天気や気分、睡眠や食事、動き方や姿勢など
それぞれ関係なさそうなものが動き方や姿勢に関わるため、
それらを常に考えていくのは気が遠くなる話である。
オリンピックの選手でさえ、
「調子の良い状態に持っていくのは難しい」と言われる。
昔の人の言葉を借りれば、
お天道様次第といったところだろうか。

それよりも”どういう時に悪くなるのか”
のほうがわかりやすい。
悪くなる要因はいつもと何が違うのか特定しやすい。
整形がメインの場合は動きすぎたか、じっとし過ぎたか。
消化器であれば食べ過ぎてないか。
心理面であれば考え過ぎ、悩みすぎではないか。
ストレスや睡眠はどうか。など原因も絞り込みやすい。

うまくいっている時よりも、
うまくいかない時の反省が大切だと言われるが、
これは答えがシンプルに
出やすいことも関係している。

格闘技でもまずは守りを基本にすることが多い。
守りは理論が作りやすく、
間違いも指摘しやすいためである。
しかし、攻撃になると話が変わる。
自分の能力や相手の能力、
そしてお互いのコンディションや、
時間の経過、心理状態、その時の間など
多くの要素があり一概に
最高の攻撃というものは考えることは難しい。

全ての事柄においてリスクを考えることは容易であるが、
リターンを考えることは答えのない戦いになりやすい。
“どうすれば良くなるのか”よりも
”どういう時に悪くなるのか”をしっかりと確認し、
しっかりと守りを固めることができれば、
自然治癒力を邪魔せず回復を促すことになる。

まとめ

症状を改善するためには、
“どうすれば良くなるのか”よりも
“どういう時に悪くなるのか”を
確認することが大切である。

よくなる要因は多くの因子が関係するため、
特定やコントロールが難しい。
悪くなる要因は特定が容易なため、
見つけやすくコントロールしやすい。

しっかりと悪くなる要因を特定し、
コントロールできれば守りを固めることができる。
守りを固めることができれば、
自然治癒力を邪魔せずに回復を促すことができる。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。