エビデンスって何?

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最近、エビデンスという言葉を
あちこちで聞くようになってきた。
医療・食品やサプリメント、
IT用語やビジネスまで使われている。

エビデンスとは”evidence”という、
根拠・証拠・形跡などの意味を持つ英単語から
由来する外来の日本語である。

根拠や証拠として使う場合が多い。
医療や食品・サプリメントでは
科学的根拠という意味で使われ、
IT用語ではメインプログラムやサブプログラムが
想定通り動いたかどうかの検証結果。
ビジネスでは書面やデータで記録を残すという
意味で使われることが多い。

今回は医療や食品・サプリメントの
エビデンスについて述べていく。

エビデンスレベル

エビデンスが”弱い”とかエビデンスが”強い”とか、
何を持って弱いのか強いのか分かりにくいと思う。
エビデンスの弱い強いは、
どういう研究のやり方によって
得られたかによって変わる。

研究のやり方は
・ランダム比較試験
・観察研究

この二つに分けられるのだが、
結論から言うとこの二つの研究、
ランダム比較試験がエビデンスレベルは強い。

聞きなれない言葉もあるので、
シンプルに説明していく。

ランダム比較試験

くじ引きのようにグループを分ける。
片方のグループのみに何らかの介入を行う。
2つのグループは介入以外の条件が一緒なので、
効果をきちんと評価できる。
これがエビデンスが強い理由である。

観察研究

ある集団のデータを集めて、
介入は行わず日常的な行動を調査する。
ある因子をたくさん取り入れているグループと
あまり取り入れていないグループに分けて分析。
何年か後に病気や死亡率などの割合をチェックする。
しかし、影響する因子はその他にも
存在する可能性があるため、
統計の手法でその他の因子の要素を取り除くが、
完全は除くことができないため、
ランダム比較試験に劣る。

メタアナリシス

実はもう一つ、最強のエビデンスといわれるものがある。
これがメタアナリシスと言われるものがある。
多くの論文から関係性を証明したものであるので、
1つの実験だけのようなデータの偏りが少ない。
さらにメタアナリシスの中でも
ランダム比較試験を集めたものと、
観察研究を集めたものがある。
この中でも最強なのはランダム比較試験による
メタアナリシスなのは言うまでもない。

専門家の意見のエビデンス

論文というと大半を占める
原著論文と考える人が多いが、
実はこれらの論文を要約、整理、分析する、
メタアナリシスの方がエビデンスは強い。

それに対して専門家の意見というものは、
信頼性が高く感じるものの、
エビデンスレベルは実は低い。
なぜなら実際の事実の調査ではなく、
あくまでその専門家の考えに過ぎないから。

ある調査ではと税理士に確定申告を頼むより、
自分でやった方が正確に申告できたという報告がある。

また専門家の意見を聞く際に、
聞く側のMRIでは意思決定の働きをする部位が
オフになって何でも助言を
受け入れていたというものもある。

専門家は知っていることから思考するが故に、
その思考を信じやすい。
そのため有力な見解に流されやすく、
否定的な声に耳をかしにく傾向が強い。

人は専門家の意見は正しくても間違ってても、
それを素直に受け入れてしまいやすい。
いわゆるエキスパート・エラーといわれるものだが、
エビデンスの見極めと何より事実としての検証を
決して忘れてはならない。

まとめ

エビデンスはランダム比較試験と観察研究があるが、
ランダム比較試験の方がエビデンスレベルが高い。
さらにメタアナリシスが最強であり、
ランダム比較試験のメタアナリシスが最上位である。

専門家の意見はエビデンスレベルは低いものの、
聞く側はエキスパート・エラーが生じるため
信じやすい傾向がある。

エビデンスレベルの見極めと
事実としての検証が何よりも大切である。

1)Medical Research Council (1948-10).
“Streptomycin Treatment of Pulmonary
Tuberculosis: A Medical Research Council
Investigation”. BMJ 2 (4582): 769–782.
doi:10.1136/bmj.2.4582.769
2)“The randomised controlled trial at 50”
3)oshioka, A. (October 1998). “Use of randomisation
in the Medical Research Council’s clinical trial
of streptomycin in pulmonary tuberculosis in the 1940s”
4)津谷喜一郎、正木朋也「エビデンスに基づく医療(EBM)の系譜と
方向性 保健医療評価に果たすコクラン共同計画の役割と未来」
『日本評価研究』第6巻第1号、2006年3月、 3-20頁

Photo by Giorgio Tomassetti on Unsplash

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。