歩行と可動域

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歩行による障害が活動範囲を狭小化することは多い。
ただ歩行と可動域を繋げて考えるのは、
なかなか難しいことかもしれない。

それでは歩行を分解して考えていく。
歩行の障害になるのは多くの場合は立脚期である。
立脚期に必要な可動域がなければ、
立脚期が正常に行われず、
筋出力も不十分となりやすい。
股関節の伸展、膝関節の伸展、
足関節の背屈が立脚期に必要になる。

立脚期には下肢が地面を蹴ることで、
前方の推進力を作り出す。
股関節の伸展とともに大殿筋の収縮で、
地面を蹴る。
股関節や膝関節の伸展制限、
足関節の背屈制限があれば
こうした伸展方向の運動が乏しくなるので、
代償動作を用いることになる。

前方推進力を生み出すには、
地面を蹴る力と体を前に倒す力の二つがある。
地面を蹴る力を代償しようとすれば、
外旋位から外転筋を使った蹴り出しを用いることがある。
また体を前に倒す力は体幹を前傾させる方法がある。

高齢者の歩行でよく用いられるパターンが
この二つの方法で、
いわゆる「体を曲げて足を広げた歩き方」である。
股関節の伸展運動が不十分となるため、
体幹を前傾させて前に倒す力と、
外旋位から外転筋を使った蹴り出しを用いる。

これらを改善させるには、
立脚期に必要な可動域を正常化する必要がある。
立脚中期から後期にかけて、
股関節伸展が約20°。
膝関節伸展が約-2°。
足関節背屈が約20°必要になる。
これらの角度が確保されれば、
非効率な代償動作を強いられることはなくなり、
効率的な歩行が可能となる。

まとめ

歩行による障害は活動範囲の狭小化を招く。
歩行と可動域の関係は非常に深い。
立脚期の股関節伸展約20°、膝関節伸展約-2°、
足関節背屈約20°必要になる。
これらの可動域が確保できない場合に、
高齢者でよく認められる
「体を曲げて足を広げた歩き方」になる。

体幹を前傾にさせて、前に倒れる力と、
下肢を外旋位にさせて外転を使った蹴り出しとなる。
これらの代償動作を軽減し、
効率的な歩行を獲得するためには、
立脚期の股関節伸展約20°、膝関節伸展約-2°、
足関節背屈約20°を獲得することが先決である。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。