前頭葉の働きが低下すれば
行動に対する抑制が低下するので、
人によっては暴力・反社会行動が生じる。
暴力・反社会的行動といったものは
どういったものなのだろうか。
具体的に説明していく。
暴力・反社会的行動にも2種類あり、
道具的攻撃-あらかじめ準備した計画的なもの。
敵対的攻撃-直接暴力を加える無計画なもで反応的なもの。
計画的なものである道具的攻撃は
必ずしも怒りが生じているとは限らない。
目的が他にあり、それを満たすために攻撃している。
それに対して無計画で反応的な敵対的攻撃は、
怒りが生じる事により急激に発動する。
怒りには情動に関わる
眼窩前頭皮質の影響が示唆されている。
眼窩前頭皮質の働きで
内側視床下部や背側中脳水道周辺灰白質に命令が生じ、
それにより怒りという行動が生じる。
怒りは期待された行動が生じない時や、
相手が自分に怒りを感じていると捉えた時に起こる。
この相手が自分に怒りを感じているというのは
相手が自分に対してネガティブな感情を抱いていると、
受け止めることで生じる(陰性感情の読み取りエラー)
人間らしさに影響を与える前頭葉。
その働きにより人間は多くのものを作り出し、
文化を守ってきた。
人が自己中心的な行動のみに走らずに
人との協調をとりながら社会を形成したのも
この前頭葉の働きが大きいのかもしれない。