腓腹筋の緊張

広告

Pocket

臨床でも訴えが多い症状として、
腓腹筋の緊張がある。
最近長く歩いたという場合なら理解できるが、
特に動いた覚えもないのに緊張している時には
首をかしげることも多いのではないだろうか。

実はこの腓腹筋の緊張だが、
原因は腓腹筋そのものにない場合も多い。
これは筋膜連結に起因するもので、
腓腹筋が仙腸筋膜や足底筋膜に伸長され、
緊張されているというものである。

仙腸筋膜は仙腸関節周囲の表層にある筋膜で、
下肢後面の筋膜に影響を及ぼすことが多い。
足底筋膜は足の裏にある筋膜で、
特に下肢の尾側の筋膜に影響を及ぼすことが多い。

仙腸筋膜は座位姿勢が長いことでこわばることが多く、
骨盤後傾位での仙骨座りが原因となる。
また荷重の多い側にこわばりは強くなる傾向がある。
例えばテレビを見るときに左の仙骨に多く荷重していれば、
左の仙腸筋膜がこわばり、左の腓腹筋が緊張するなどの
筋膜による連鎖が生じるというものである。

足底筋膜は冷え性やむくみが関係してくる。
まず冷え性では血流障害によって筋のこわばりが生じる。
またむくみでは足根骨の関節副運動の低下の原因となり、
足底筋膜への反射性の筋スパズムとなる。
こうした足底筋膜の緊張が頭側にある
腓腹筋の筋膜を伸張し、
緊張させてしまうのである。

腓腹筋の緊張において仙腸筋膜と足底筋膜が
関係することを説明した。
さらにもう一つ関係するものとして、
足底筋の緊張がある。

足底筋は足底筋膜とは別のもので、
大腿外側顆の上方から腓腹筋の外側頭と
膝関節の関節包が起始で、
腓腹筋とヒラメ筋の間を走行し、
アキレス腱の内側で停止する筋である。
細く長い筋肉であるのが特徴で
深層であり長細いので
触診は起始部と停止部で行なう。
この足底筋が緊張することで、
腓腹筋も緊張することがあり、
仙腸筋膜と足底筋膜で腓腹筋の緊張が軽減しない場合、
足底筋のアプローチを試みてみても良いかもしれない。

腓腹筋の緊張は非常に多い症状である。
単純にアキレス腱のストレッチを施行しても、
効果がないことは多いはずである。
原因そのものが、他の要素の影響がある場合は、
アプローチの効果は乏しく、
また一度改善してもまた元に戻ってしまう。
筋膜連結を考慮し、
他部位からの影響がないか
確認することも大切ではないだろうか。
%e8%85%93%e8%85%b9%e7%ad%8b

広告

ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。