睡眠が身体を変える

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睡眠の研究が進むことで、
睡眠障害が様々な病気の原因となることが
わかってきている。
睡眠障害は身体に様々な影響が生じる。

糖尿病や肥満、高血圧などの身体症状、
そしてうつ病や神経症、依存症などの精神症状も関係する。
糖尿や肥満に関してはインスリンの分泌の低下、
レプチンの低下、グレリンの増加などが生じる。
インスリンの分泌低下は血糖を下げることが難しくなる。
またレプチン低下は満腹感を感じにくくなり、
グレリンの増加は食欲を増強させてしまう。
高血圧に関しては交感神経が優位になることで、
血圧の上昇を生み出してしまう。
またうつ病や神経症、依存症などの精神症状は
睡眠不足に伴い脳の機能が低下するため、
精神の不安定に関係してしまう。

睡眠時間の関係

死亡率に関しても睡眠不足の影響は大きい。
他説あるが7時間程度が最も良いとされ、
それより長すぎても、
短すぎても死亡率は高くなってしまう1-7)。

現在、日本の睡眠の平均時間は6.5時間。
アメリカで7.5時間、フランスで8.7時間。
日本の6.5時間のうち6時間未満の人が
40%もいる状態である。

睡眠不足はその日1日のみが問題になるわけではない。
40分の睡眠不足が解消されるには、
約3週間程度要すると言われる。
睡眠不足は一過性の問題ではなく、
蓄積していき回復に時間を要するものである。

マイクロスリープ

睡眠不足が起こると脳の機能低下が生じる。
あくびが出たり、物忘れが増えたり、
ミスが増えたり、やる気が出なかったりする。
また恐ろしいことに一時的に脳が無反応になる、
マイクロスリープという現象が起きる。
起きているのに頭は寝ている状態である。
時間的には1〜10秒。
もしマイクロスリープが起きているときに、
車の運転をしていたら・・・。
危険な作業をしていたら・・・。
恐ろしいことである。

さてその睡眠だが量より質が大切である。
先ほど睡眠時間は長すぎても
短すぎても良くないと述べたが、
長すぎると良くない理由の一つとして、
睡眠の質が悪いから
長く寝なければならないことが挙げられる。

レム睡眠とノンレム睡眠

では少し睡眠について説明する。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠がある。
レム睡眠はRapid Eye Movementの頭文字からなる。
意味は急速眼球運動で寝ているときに、
眼球が動いて脳波も覚醒時に似たものとなる。
以前はレム睡眠中に夢を見ると言われていたが、
ノンレム睡眠でも夢を見ることがわかっている。
本人は覚えていないため見ていないとされていた。

浅い眠りがレム睡眠。
深い眠りがノンレム睡眠になるのだが、
個人差はあるが約90分サイクルで、
浅い眠りと深い眠りを繰り返す。
この睡眠のサイクルが重要で、
はじめの90分で深い眠りに入れるかが、
その後の睡眠の質に重要だと言われている。

良質な睡眠のポイント

良質な睡眠にはいくつかポイントがある。
良質な睡眠にはやはり準備が必要である。

コーヒーは14時以降は飲まない
コーヒーによるカフェインの効果は思った以上に長い。
体外に排出されるまでは8時間以上かかることもある。

寝る前には食べない
太るのもあるが、
身体が消化に集中すると熟睡はできない。
寝る2時間前には食べないようにし、
特に夕食は肉など消化が大変なものは避ける。

入浴は眠る90分前
日中は皮膚温は低く深部温は高い。
寝る前は徐々に皮膚温が上がり深部温が下がる。
湯船に浸かったら深部温が下がるまで90分ぐらいかかる。
すぐに寝たい場合はシャワー浴にすれば
深部温が下がるのに30分程度となる。

光を少なくする
身体の体内時計は光によって調節される。
寝る前にコンビニの蛍光灯の光や、
携帯やパソコンのブルーライトを見ると、
身体は日中だと勘違いしてしまう。
寝る前の明かりは間接照明や電球色にし、
徐々に光を落としていくのが重要である。

頭を使う作業はしない
夜に脳はお休みモードに入る。
頭を使ったりする作業をすると、
脳は覚醒し眠れなくなってしまう。
また作業もなかなかはかどらないため、
効率悪く睡眠にも影響が悪い。
出来るだけ朝に作業をする方が良い。

まとめ

睡眠が重要なことは誰しもが知っている。
あまりにも当たり前のことは案外無頓着なものである。

睡眠不足は糖尿病や肥満・高血圧・精神疾患など
様々な病気を起こすだけでなく、
死亡のリスクも高めてしまうことがわかっている。
またマイクロスリープが生じることで、
事故や怪我、日中のパフォーマンスに大きく関わる。

良質な睡眠をとるには最初の90分が重要。
その後のレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルに影響する。
良質な睡眠の準備として、

・コーヒーは14時以降は飲まない
・寝る前には食べない
・入浴は眠る90分前
・光を少なくする
・頭を使う作業はしない

などを気をつけると良い。
私自身も基本は20時半には入浴し、
22時前後には寝るようにしている。
その分、4時から5時に目を覚ませるので、
リフレッシュした頭でこのブログを書いている。
仕事までに頭を働かせるので、
スッキリして仕事ができるので是非おすすめである。

1)Gallicchio L, Kalesan B. Sleep duration and mortality:
a systematic review and meta-analysis. J Sleep Res. 2009;18:148-58.
2) Cappuccio FP, D’Elia L, Strazzullo P, Miller MA. Sleep duration and
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Photo by kevin laminto on Unsplash

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。