運動には感覚が重要

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炎症が起きていないのに関わらず、
安静時でも痛い。
何もしていないのに痛いという訴えは時々ある。

評価してみると過緊張が強く、
運動時の抵抗を非常に強く感じる。
炎症の4兆候などは見受けられない。
「力を抜いてみてもらえますか?」
と言ってみても「わからない。」とか
「力入れていないよ。」などの答えが返ってくる。
肩関節周囲炎や膝の術後、骨折後の足部などで
このような訴えが多い印象である。

そう言った訴えがある場合、
位置覚・運動覚を確認したら、
非障害側と比べ障害側は感覚低下が認められる。
触覚は特に異常なく、筋力も大きな問題はない。

神経障害は否定的であるが、
なぜこのようなことが起きてしまうのであろうか。
実は脳が関係していることが多い。

運動を生じる時には位置覚や
運動覚などの感覚が重要である。
感覚が入力されなければ、
四肢が今どこにあるのか認識できず、
どこをどの程度動かせば良いのか予測がつかない。
予測がつかないので、過剰に収縮させてしまう。
過剰な収縮が疲労や疼痛の原因となり、
症状を誘発してしまうことになるのである。

動かす前に「痛みが生じるのでは」
といった不安があれば、
筋が過緊張を起こすことになり、
その過緊張は筋紡錘の正常な働きを阻害する。
それにより筋の伸び縮みがわからなくなれば、
位置覚・運動覚に影響してくる。

脳では”注意や感覚の処理”の連絡を2野で行い、
”運動の予測”を帯状皮質運動や補足運動野などで行う。
ワーキングメモリーを介して、
感覚・知覚を元に”運動イメージ(メンタルプラクティス)”を
運動前野で行う。

“注意や感覚の処理”を行う2野と、
”運動の出力”に関わる4野は投射することで、
フィードバックを受ける。
脳梗塞の後遺症の場合、
4野はあまり障害を受けないものの、
2野の働きが落ちることで4野の抑制が生じる。
フィードバックが減少することが、
抑制の原因となってしまうのである。

不安や痛みの恐怖があれば、
過緊張が生じ、その過緊張が
位置覚・運動覚の入力を阻害する。
それに伴い運動イメージがうまく形成されないため、
運動出力も巧緻性を欠き、過剰な筋収縮となる。
これが繰り返されることで
筋は疲労や過剰なストレスにより、
疼痛を引き起こしてしまうのである。

まとめ

炎症もないのに関わらず安静時でも痛みがあり、
過緊張が続く場合。
また力を抜くことができず、
抜けたかどうかわかりにくい場合などの症状がある場合、
位置覚や運動覚も的確に入力されていない可能性がある。

位置覚や運動覚が的確に入力されなければ、
運動イメージがうまく形成されないので、
巧緻性を欠いた運動出力となる。
これが過剰な筋収縮となり繰り返されることが、
筋の疲労や過剰なストレスの原因となる。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。