質問と主訴

広告

Pocket

患者の精神的な不安を聞きたい時は、
「何か不安なことはないですか?」と聞くが、
現実的なことを聞きたい時は、
「何か困っていることはないですか?」
と聞くことができる。

さらに広く質問をしたい場合は、
「何か気になることはないですか?」
慣れた人であれば、
「調子はどうですか?」
などと質問を変えれば良い。

しかしこうした質問は
ネガティブクエッションと言い、
ネガティブな要素は聞き出せるのだが、
聞き出せないことはないだろうか。

「何か困っていることはないですか?」
「いや特に困っとることはないんだけどなあ・・・。」
こういった返答を受けたことはないだろうか。
入院患者さんで身の回りのことはできる人に
このように答えられる方がたまにある。

これはネガティブクエッションだから、
ポジティブな内容には意識が向かないためである。
身体のレベルは生活とともにアップする。
まずは身の回りのことであるADL。
そして家事動作を中心としたAPDL。
ADLが自立レベルであると、
入院生活で特に困ることがないので、
思い浮かばないことは少なくない。
入院中に洗い物や掃除などをすることがないためである。
ADLは動作が行うことができればOKだが、
APDLになるとある程度の筋力や
同一姿勢での耐久性などが必要になる。

さらに次の段階になると仕事や趣味などが挙げられる。
仕事は自分中心に考えるよりは、
上司の指示や顧客に合わせて動かざる得ない。
そのため姿勢を変化させたり、休憩をしたり、
時間を短くしたりの調整を思い通りにできなくなる。
また趣味であれば楽しかったり夢中になるので、
軽度のだるさや違和感、痛みを感じにくくなる。
そのためオーバーユースによって、
ダメージを受ける危険性が高くなる。

ADLに関しては「困っていることはありますか?」
というネガティブクエッションで答えられるが、
入院中で経験していないAPDLは
予測ができなければ答えることができない。
また仕事や趣味なども同様であるが、
「これからしたいことはありますか?」という
ポジティブクエッションや未来形の質問の方が、
答えやすいことになる。

まとめ

患者の主訴を質問で聞き出す時には、
「不安はありますか?」
「困っていることはありますか?」
という質問が使いやすいのだが、
ADLがクリアできている場合、
APDL、仕事、趣味とレベルが上がってくると、
このようなネガティブクエッションでは、
答えにくくなる。

このような時は
「これからしたいことはありますか?」
といったポジティブクエッションや
未来形の質問が有効である。
それで答えが出てこない時には、
具体的に「仕事はできそうですか?」
「趣味はできそうですか?」などと、
質問を展開していってみてはどうだろうか。

広告

ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。