椎間板ヘルニアの理学療法ガイドライン

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腰痛に悩む日本人は10人に1人いると言われ、
その中の10%の120万人が
腰椎椎間板ヘルニアを経験していると言われる。

腰の痛みや坐骨神経痛による
下肢痛が特徴である。

ではこの腰椎椎間板ヘルニアの
理学療法診療ガイドラインは
どういったものになるのだろうか。

ガイドラインとは

その前にガイドラインとはなんであろうか。
ガイドラインとは系統的な手法により、
科学的根拠に基づいた文章。

推奨グレードによって度合いを分類している。
要するに信用できる論文を厳選して、
検討したけどこれがお勧めじゃね?
ってこと。

ただあくまで一般的な方法ということで、
個々の患者に当てはまるとは限らない。
要するに医療者の経験を
否定するものではないってこと。

一般的なお勧めはこうなってるけど、
最終的には患者と医療者が一緒に話し合いながら、
進めていくのがとても大事である。

理学療法治療として勧められるもの

理学療法治療としてグレードB
(行うように勧めれられる科学的根拠があるもの)
以上をピックアップしてみると、

保存療法では
・根性症状のみで麻痺がなければ運動療法は有効1)
・急性腰痛・坐骨神経痛に脊椎マニピュレーションは有効2-4)
(ただしヘルニア限定での十分な研究はない)

術後では
・体幹伸展エクササイズは勧められる5,6)
・漸増運動プログラムの有効性は示されていない7-11)

というものである。
保存療法では麻痺がなければ運動療法は使える!
脊椎マニピュレーションも有効。
そして術後は運動をどんどんしたほうがいいわけじゃなけど、
伸展エクササイズはわりとお勧めってこと。

椎間板ヘルニアは前屈障害型腰痛。
腰を曲げると症状が誘発するタイプなので、
反らすことが有効。
そして腰の最も下あたりが曲がりやすくなってるので、
その他の関節の動きも硬くならないよう、
(すでに硬くなっていることは多い)
運動したり、柔らかくすることは重要である。

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアは手術の方が即効性と
長期的に良好であるが10年後には効果は減少する。
それは下部腰椎の前屈傾向という
運動習慣(いわゆる身体の動かし方の癖)が、
変わらないため他の部位に
再び障害が起こることが予測される。

下部腰椎の屈曲傾向の認識と伸展方向の意識づけ。
他の関節の柔軟性の改善が重要である。

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Photo by Ryan Moreno on Unsplash

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。