痛みと幼少期の記憶

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痛みに対して極度に強い不安を感じる人がいる。
客観的に見るとはじめて来院した時と比べて痛みは減少し
日常生活には支障がない程度のはずなのに、
少しでも痛みがあるとものすごく気にしてしまう。

強い恐怖や怯えた感情を感じることがある。
その中には幼少期の痛みに対する想いなどが
関係することもある。

「痛みに対して強い不安感を感じるのですが、
小さい頃、痛くて怖かった想いとかありましたか?」

非常にプライベートな話になるので、
信頼関係を十分に気づく必要があるのだが、
どうしてもこの痛みをなんとかしたいという方なので、
思いきって聞いてみた。

「小さい時に頭をぶつけて血だらけになって帰ったことがある。
ちょっと痛いなあ・・と思ったけど、
その時は自分では何が何だかわからなかった。
家に帰ると母親にものすごく怖い顔で怒られた。
その後、病院に連れて行ってもらったけど、
何が何だかわからず、すごく怖くなった。」

このような返答があった。
きっと母親はびっくりしたのと、
自分に強く責任を感じたのと
そういった感情がいり乱れたのだろう。
うまく表現できず混乱して、
そのような対応になったのかもしれない。
子供としてはそういったことはわからないので、
脳の中で「痛み=怖い」と
結びついてしまったのかもしれない。

子供の時の記憶は理性が働きにくいため、
ストレートに感情と結びついてしまうことが多い。
ゴミをポイ捨てした時にものすごく強く叱らた経験があると、
ゴミをポイ捨てする人を見ると強い怒りを感じる人がいる。
家にある薬を隠れて勝手に飲んでから、
薬に関してはものすごく神経質になってしまう。
本人でもわからないぐらい感情的になる時に、
実はこのような幼少期の経験が関係していることがある。

大人になると色々なことが論理的に考えることができるので、
その時、なんで怒られてしまったのか。
今の痛みはどう考えれば良いのか。
冷静になると理解することができる。
その頃の幼少期の記憶が無意識に不安の原因になったことを知り、
痛みをどのように捉えたら良いのかを冷静に受け止めれば、
痛みに対する強い不安は消失した。

まとめ

痛みは幼少期の痛みに対する記憶と関連することもある。
極度に感情的になる場合などは、
自分の中の小さい頃の痛みの記憶が関係しているかもしれない。
小さい頃の痛みに対する感情的な結びつきを理解し、
新たに理性的な納得を得ることができれば変えることができる。
時間はかかるかもしれないが。
痛みは心理社会的な問題も関わってくるため、
とても複雑なものである。
だからこそ患者の想いや言葉は注意深く聞いていく必要がある。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。