可動域制限と時間的要素

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関節可動域制限の要因はいくつかある。
骨格筋・関節包・皮膚・靭帯とあるが、
割合的には骨格筋と関節で70%を超える。

可動域制限の時間的経過によっても、
影響する要素が変化する。
4週未満では骨格筋の影響。
4週以降から関節構成体の影響。
さらに8週を超えると関節軟骨の変化が生じる。

骨格筋の影響では液体の粘っこさである粘性、
力により変化し元に戻る弾性に分かれる。
粘性は並列弾性要素、
弾性は直列弾性要素とも言われ、
合わせたものを粘弾性と呼ぶ。
またそれに収縮要素も含めたものが、
骨格筋の制限要素と考えられている。

関節構成体の影響では関節包が責任病巣と考えられている。
不動によってGAG、ヒアルロン酸、
水分などの減少が考えられているが、
4週未満では滑膜内膜や線維成分の増殖が主で、
4週以降には関節包の線維化が関係する。

関節軟骨の影響では
アプローチによる可動域改善は困難となる。
約8週間を超えるとプロテオグリカンも
減少が著明になるためんである。

こうしたことを考えると、
可動域改善は炎症や組織の損傷の度合いの確認とともに、
できるだけ早期に行っていく必要があると考えられる。

まとめ

関節可動域制限の要因はいくつかあるが、
その70%以上が骨格筋と関節包によるものである。
関節可動域は時間的経過で影響する要因が変化する。
4週未満では骨格筋の粘弾性の問題が主で、
関節構成体では滑膜内膜や線維成分の増殖が影響する。
4週以降では関節包の線維化が生じてくる。
8週を超えると軟骨組織の変化も生じてくるため、
炎症や組織の損傷を見極め、
できるだけ早期に可動域訓練を行うことが必要である。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。