神経障害の機械的なメカニズム

広告

Pocket

神経障害の生理学的な事象

神経障害は炎症による感受性の増加や
血流の減少に伴う
インパルス伝導の問題により生じる。

炎症による感受性の増加は、
神経の伸張や摩擦等のストレスの繰り返しで
神経そのものに炎症が生じる。
炎症を生じた神経は
軽度の伸張や圧迫でも敏感になり、
疼痛や神経障害が誘発されやすくなる。

血流の減少は神経が
伸張や圧迫を受けることにより、
神経血流の減少が生じることにより起こる。
正常な神経の働きが阻害されることで、
通常のインパルス伝導が阻害される。

では炎症による感受性の増加や
血流の減少といった生理学的な事象は
何が原因になるのであろうか。

神経障害の機械的な事象

神経障害の生理学的な事象は
機械的なメカニズムが原因となる。
神経は様々な刺激を受けながら
それに適応していく。
その適応が許容量を
超えてしまうと障害を受け症状が生じる。

神経が受ける機械的な事象は、
伸張と圧迫の二つである。

神経の伸張

神経が引っ張られることにより、
その許容量を越えれば炎症が生じたり、
伸張ストレスにより血流が阻害される

しかし神経の伸張は意外に強い。
Beithらによると坐骨神経は
SLRで約124mm伸張される1)。
身長175cmなら14%の伸張率も可能である。
また正中神経は肘屈曲位から伸展位になることで、
約20%程度伸張される2)。
神経の柔軟性が担保されている場合は
肩関節や肘関節方向に神経が滑走することで、
伸張率は4~6%になる3)。

神経の伸張の物理的な耐久性は強いのだが、
血液の減少はどうだろうか。
Lundborgによると末梢神経の血流は
約8~15%の伸張で遮断される4)という。

要するに神経の伸張により炎症が生じたり、
血流の遮断が生じることが予測されるのだが、
神経は伸張方向には意外にも強く、
むしろ血流の遮断による問題が起こりやすいと言える。

神経の圧迫

では神経の圧迫はどうであろうか。
神経の圧迫は脊椎では伸展や同側の側屈で生じる。
脊柱管の狭窄や神経根周囲の椎間孔の狭窄によるものである。
また脊椎以外でも筋の過緊張による圧迫もある。
神経は筋の間を通って走行している。
筋が過緊張になると神経は圧迫を受けるため、
それが症状を引き起こす原因となる。
正中神経のファレン徴候がよくある例である。

まとめ

神経障害は炎症による感受性の増加や、
血流減少によって生じるインパルス伝導の問題である。

このような生理学的事象の原因は
機械的な事象が原因である。

具体的には神経の伸張と圧迫である。
伸張では物理的な耐久性による影響よりも、
血流遮断による問題が圧倒的に多い。
また圧迫は脊椎による問題と筋による問題がある。

神経障害の原因は様々な問題がある。
どの部位にどういった問題があるのかが、
アプローチや生活指導を行う上で、
必要不可欠な問題となる。

1)Beth I,Robbins E,Richards P 1995 An assessment of the adaptive
mechanisms within and surrounding the peripheral
nervous system, during changes in nerve bed length
resulting from underlying joint movement.In:Shacklock
M(ed)Moving in on Pain,Butterworth-Heinemann,Australia
2)Mllesi H 1986 The nerve gap:theory and clinical practice.
Hand Clinics 4:651-663
3)Mllesi H,Z_ch G,Reihsner R 1995 Mechanical properties of
peripheral nerves.Clinical Orthopedics and Related Research
314:76-83
4)Ogata K,Naito M 1986 Blood flow of peripheral nerve
effects of dissection, stretching and compression.
Journal Hand Surgery 11B(1):10-14

広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。