筋肉痛の正体

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筋肉痛は広義では肉離れや、
激しい運動直後の焼け付く感じ(Burn)も含む。
一般的には運動後の数時間から数日後に出現する
遅発性筋痛(DOMS:Delayed Onset Muscle Soreness)
を指す場合が多い。

不慣れで強い遠心性収縮で生じるのが特徴で、
求心性収縮や等尺性収縮では生じないとされる。

ではこの筋肉痛がなんで痛いのか?
これについては意外にまだわかっていない。
仮説としていくつかあるので紹介する。

乳酸説

今までで一番耳にすることが多かったのが、
乳酸によるものという説である。
運動直後には乳酸という疲労物質が増加することから、
乳酸がこの筋肉痛の痛みの原因でないかというものである。
しかしこの乳酸。運動直後には増加するのだが、
約1時間もすれば減少するのである。
そうなれば数時間から数日後に痛みが出る理由としては、
不自然であるというのが自然な考えとなる。

微細損傷説

次に有名な説としては微細損傷説である。
筋の微細な構造的損傷によるものが原因とする説である。
筋線維が微細な損傷を起こすと、
筋線維内のタンパク質が筋損傷マーカーに反応する。
また炎症反応によって発現する
タンパク質がCK(クレアチンキナーゼ)に反応する。
この二つが血漿中に存在することで、
微細損傷が原因としている説が有力であった。
ただ筋肉痛が筋損傷を起こさないような
マイルドな運動でも生じることなどの矛盾が残る。

BKとNGF説

近年有力だと言われる説としては、
BK(ブラジキニン)やNGF(神経成長因子)によるもの。
これは筋肉痛のある動物の筋を調べると、
筋線維損傷や炎症反応のない場合が多くあった。
その変わりにBKやNGFの増加が認めらることからきている。
遠心性収縮を行った筋線維からはATPやアデノシンが漏出される。
それに反応し、血管内皮細胞からBKが分泌される。
BKは筋線維に働き筋線維からNGFを分泌する。
NGFは圧受容器の感度を増加させる働きがあるので、
軽度の圧迫や筋収縮で過敏に反応するようになる。
というのがこの仮説である。

まとめ

筋肉痛に関しては多くの仮説があるが、
その中でも有名どころを幾つか紹介した。
しかしながら結論が出ていないのが現状である。
筋肉痛のある筋に乳酸や
炎症反応がない場合が多いことから、
近年ではBKやNGFによるものが有力とされている。
ただ筋肉痛も幾つかの種類があり、
詳細な分類が必要だとも思われる。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。