どうすればよくなるのかを考えない??

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痛みが強い時に患者は「どうすればよくなるのか」を考える。
当然といえば当然である。
痛いのでよくなりたいと思うのだが、
実は「よくなる」というのは考えると非常に難しい。

調子が良いというのは、実はさまざまな要素が関連する。
天気、湿度、気温、睡眠状態、栄養状態、気分、
前日の動作や姿勢、睡眠状態、便通、食事などなど。
オリンピック選手ですら、
絶好調にカラダをもっていくのは難しい。
これだけたくさんの要素があるので、
どうすればよくなるのかを考えるのは当然難しいのである。

政治であっても経済であっても、
たくさん知識のある人が考えても
なかなかうまくいっていない。
「よくなる」ことというのは
これだけ様々な要因が絡んでくるのである。

ではどう考えれば良いのだろうか。
大切なのは「どうすればよくなるか」ではなく、
その相反する視点である
「どうすれば悪くなるのか」を考えることである。

「どうすれば悪くなるのか」という視点は、
「どうすればよくなるのか」を考えている時には、
相反する視点になるので考えにくいものである。
ではなぜ「どうすれば悪くなるのか」を
考える方がよいのだろうか。

それは関連する要素が限定されるので
見つけやすいためである。
例えばいつもより痛みが強くなったとする。
調子が悪くなるということは、
何か原因があったはずである。
座っている時間が長かった。姿勢が悪かった。
いつもと違う動作をした。天気が悪かった。
など「よくなること」と比べ要因が少ないので、
問題がはっきりとしやすい。

また「よくなること」というのは、
影響力はあまり大きくない。
どういうことかというと、
組織が損傷を受けて回復するのは
非常にゆっくりである。
また可動域制限が生じるのは早いが、
その可動域を改善するには時間がかかる。
要するに「よくなること」には時間がかかり、
悪くなることは短時間で大きく影響するのである。
以上のことからどのようなアプローチが効果的かを考えるより、
回復を阻害している因子を見つける方が大切なのである。

また時間で考えても影響は大きい。
アプローチの時間と
日常生活の時間を比べてみる。
物理療法の時間が20分、運動療法の時間が20分、
合わせて40分がアプローチの時間とする。
アプローチ以外の日常生活の時間は、23時間20分もある。
どう考えても40分のアプローチが、
23時間20分にかなうはずはない。

「どうすれば悪くなるのか」
実は回復を阻害している因子をまず確定し、
コントロールすることが大切なのである。
それがわかるだけで、精神的には随分と楽になる。
また「ものすごく調子が悪くなる」というのも、
かなり防ぐことができる。
アプローチの効果を維持するためには、
今一度考えていくべき視点なのかもしれない。
どうすれば悪くなるのか

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。