問診からの展開

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初めての会話への不安

さあ、初めての患者さん。
やはりどんな人かわからない時、
会話をどう展開すればいいか迷う。

どのように話をしていけば、
その人の不安を解消できるか。
1番困っていることを解決できるか。

それにはうまく患者さんの本音を
引き出すことが必要である。

しかし、出会ってすぐに
相手の本音を聞き出すなんて
なかなか難しいかもしれない。

それでもやはりうまく聞き出さなければ、
問題点もわからなければ目標も立てようがない。
そうなれば何を評価して、
どこにアプローチすれば良いのかは
全く見えてこない。
ではどういった会話から
聞き出せば良いのだろうか。
聞き取るポイントは2つである。
「不安なこと」「困っていること」
である。

不安なこと

まず患者の「不安なこと」を聴きとることで
精神的な要素を把握することができる。

現実的な解決はもちろん大切だが、
患者は目に見えない不安や恐怖を
なんとかしたいと思っていることを
忘れてはならない。
何が起きていて、

どのようになるのか。
自分の何が悪くて、
療法士には何を手助けしてもらえるのか。

具体的にしていくだけでも
患者さんの気持ちは楽になるし、
何より患者さんと療法士の気持ちを共有できる。
その時の共感が信頼関係の第一歩にもつながる。

大切なことだが現実的な解決を考えると
つい忘れがちになること。
今一度確認が必要である。

困っていること

次に「困っていること」を聴きとることで
現実的な要素を把握することができる。

これにより具体的に
何を対処すればよいのかが見えてくる。

困っていることがどういうときに起こるのか。
座っている時か立っている時なのか。
動いている時か休んでいる時か。

それによりどの動作に問題があるのか
把握することができる。

動作を改善することが
生活レベルの活動や参加を促すことにつながるので
この部分は重要である。

また会話の中から社会的背景も理解しておくことで
その動作の頻度や必要性も確認することができる。

気になっていること

この「不安なこと」と「困っていること」は
相手の視点が精神的要素に向いているのか、
現実的要素に向いているのかを知る指標にもなる。

それによりこちらの言葉も
抽象的な言語を選択するか。
具体的な言語を選択するのか
説明の仕方も変わってくる。

またその他に
「不安なこと」や「困っていること」
といった具体的な質問をせず、
あえて質問を曖昧にして
「何か気になっていることはありますか?」
と聞くこともできる。

それにより相手が優先している内容が、
精神的要素か現実的要素のどちらが強いか
確認していくことも可能である。

「不安なこと」「困っていること」を
質問により具体的にすること。
そうすれば患者のデマンドやニーズと
ずれのない会話や説明ができるようにしていく。

これらの質問から見えてくること

身体面の専門的な知識があったとしても、
患者さん自身の社会的背景や思想、
価値観や優先順位などはわからない。

日常生活で必要な能力は、
こういった患者さん自身の
社会的環境によって
かなり左右されてしまう。

どんな家なのか。
何人で暮らしているのか。
家事はどの程度するのか。
特に念入りにすることは何なのか。
買い物をするのは
どのような手段で行くのか。
趣味はあるのか。

それらの状況が把握できれば、
必要な能力がより具体的に見えてくる。

どういった思いでそれをやるのか。
優先順位は何なのか。
可能なことと不可能なことは何なのか。
その能力はどのくらいの時間必要か。
途中休憩を入れることは可能か。
姿勢や動作のやり方を変えることはできるか。
道具を使ったり、他の人に頼むことは可能か。

こうした内容はどんなに検査をしても、
動作を分析しても見えてこない。
いかに会話から聞き出すかがとても大切である。

問題点が明確にならない。
目標が曖昧になってしまう理由は、
実は評価が足りないのではなく、
会話が足りていないのである。

もっと患者さんのことがわかれば、
自然と問題点や目標は見えてくるものである。

まとめ

患者さんとの会話はとても大切なものである。
質問一つにしても、
精神的な要素あるいは
現実的な要素を聞き出すのかで、
質問の仕方は変わってくる。

「不安なこと」「困っていること」
まずはこの二つから話を展開していくことができる。
そして「何か気になっていることはありますか?」
と聞くことで相手が精神的要素・現実的要素
どちらを意識しているかがわかる。

これによりより満足度の高い
アプローチにつながるのではないだろうか。

Photo by Allef Vinicius on Unsplash

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。