上半身の痛みの訴えは比較的多い。
肩・首の痛みや腕の痛みなどがある。
痛い部分を触診すると筋の緊張感が認められ、
その筋を収縮させたり弛緩させると、
疼痛を誘発することができる。
ただ緊張した筋をマッサージしても、
なかなか改善が認められない場合や、
一過性の改善によりすぐに戻る場合が多い。
過緊張した筋が痛いのだが、
原因は過緊張した筋ではなく
周辺の関節であることが意外にも多い。
肩や首症状としては第一肋骨や頚椎椎間関節が関係しやすい。
頸板状筋、斜角筋、僧帽筋上部線維などが緊張する。
また体幹の前面の症状になると、
上部胸肋関節や肩鎖関節が関係しやすい。
胸や上腕前面に疼痛が出現するので、
大胸筋や小胸筋、胸鎖乳突筋や上腕二頭筋などが緊張する。
さらに前腕部の痛みとして、
撓尺関節や手根関節が関係しやすい。
橈側手根伸筋や拇指伸筋などが緊張する。
またこれらの関節は筋膜連結で、
上腕二頭筋など離れた筋を過緊張させることも多い。
まとめ
筋の緊張は筋そのものの問題よりも、
周辺関節の影響であることが多い。
硬くなる関節として、
第一肋骨や上部胸肋関節、肩鎖関節、
撓尺関節、手根関節などが挙げられる。
筋の過緊張のチェックとともに、
関節の副運動のチェックもできれば、
より効率的なアプローチが可能になるのではないだろうか。
