怪我や使いすぎで身体を傷めた場合、
時間とともに修復されることになる。
傷んだところが修復されるために、
重要なのはコラーゲンである。
コラーゲンにはいくつかタイプがあり、
それぞれの組織によってタイプが分かれる。
コラーゲンのタイプ
コラーゲンにはいくつかのタイプがあり、
脊椎動物では30種類のタンパク質を
有することが報告されている。
体内で最も豊富に存在しているのは、
タイプ1である。
腱や靭帯はタイプ1
関節包はタイプ3
筋肉はタイプ5
といった割合が多い。
損傷して修復初期では、
タイプ3の分泌が多い。
タイプ3は細い線維で、
組織に柔軟性を与える。
そして2週間経過するとタイプ1の分泌が生じる。
タイプ 1は組織に弾力性を与える。
それにより徐々に損傷組織は強固になる。
コラーゲンのクロスリンクは
1ヶ月で60〜70%程度と言われる。
筋肉に多いタイプ5は
基盤ができるのに約1ヶ月。
張力が最大になるためには2〜3ヶ月かかる。

修復を阻害してしまうと
修復を阻害してしまうと
どうなるのだろうか。
通常は外傷直後で細い線維である
タイプ3が分泌され、
2週間程度でタイプ1の分泌が生じる。
もし炎症や低酸素状態になると、
成熟したコラーゲンでなく、
未成熟なタイプ3やタイプ4などが、
多くなってくる。
そのため、損傷して間がない状態で、
無理に痛みのある動作を
繰り返さないことが大切である。

まとめ
組織の修復には
コラーゲンの存在が重要である。
各組織によってコラーゲンの割合が違うが、
腱や靭帯はタイプ1
関節包はタイプ 3
筋肉はタイプ5
といったのが特徴的である。
外傷を生じると、
まずタイプ3の分泌が生じ、
約2週間でタイプ1が分泌する。
クロスリンクは1ヶ月で60〜70%であり、
筋肉のコラーゲンタイプ5は基盤ができるのに、
約1ヶ月。張力最大になるのには2〜3ヶ月かかる。
もし炎症や低酸素が続いた場合は、
タイプ3やタイプ4といった、
未成熟なコラーゲンが増えてしまう。
急性の炎症を伴う疼痛の場合は、
悪化する動作や姿勢は極力防ぐ必要がある。
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