認知行動療法と腰痛

広告

Pocket

腰痛においても心理社会学的要因が注目され、
心理的要因の対応が重要と認識されてきている。

この心理的要因の対応として、
高いエビデンス論文があるのは
やはり認知行動療法である。

認知行動療法は腰痛予防に重きを置くのでなく、
病欠や障害の予防に効果的とされている。

認知行動療法は行動療法と認知療法の二つが
合わさったものである。

ABC理論

無意識のレスポンデント条件付けと、
意識によるオペランド条件付けによって、
本人は思考は自動的に形成されることになる。

また時には親や他者における、
モデリングが影響しているかもしれない。

それらの認知の歪みが、
ネガティブなために、
心身の不調が思考によりもたらされる。
その思考が続けば続く限り、
身体症状も慢性化しやすくなる。

認知面と行動面という複雑な事象を
簡略化するために有効な方法として、
アルバート・エリスのABC理論がある。

ABC理論では、

先行 Antecedent
行動 Behavior
結果 Consequence

の3つに分類する。
順番でいうと

先行 → 行動 → 結果
A B C

こちらの介入により関わり方を変えることで、
相手の行動を変化させ結果を変えることを考えていく。

意識と無意識に働きかける

行動には無意識による反応であるレスポンデント条件付けと、
意識によるオペランド条件付けの二つがある。

無意識であるレスポンデント条件付けは、
1900年代のパブロフの犬による実験が有名である。

腰痛に当てはめると、
ある姿勢や動作をすると痛くなるという思いが、
無意識に形成されているとする。

それがさらに「動くと痛い」という認識になると、
動くことをしなくなり、
身体的にも精神的にも不調を起こしてしまう。
それに対して痛くない姿勢と運動を行うことで、
一定の条件で痛いことを認識すれば、
動くことの恐怖心が減少するといったことが可能になる。

また意識であるオペランド条件付けは、
ネズミが餌の出るレバーを覚えると、
レバーを押すことを覚えるスキナーボックスが有名である。
わかりやすい例えではスロットマシーンがこれにあたる。

良いことがあればその行動は強くなり、
悪いことがあればその行動は弱くなる。
いわゆる”アメ”と”ムチ”を利用するものである。
具体的には「痛い」という言葉を使い
同情させる行動を抑制させるには、
こちらは無反応という形をとる。
また少しでも動くように頑張った場合は、
一緒になって喜びその行動を強化するように促す。

認知の歪み

認知面では考え方の偏りがストレスを増強させたり、
また行動を過度に抑制しすぎているのを修正する。

個人の考え方は様々であるが、
その考え方は今までも知識や経験が元になっているもの。
うまくいっている場合は良いのだが、
今までにない事柄が起きたときには、
それが通用しないことも少なくない。

不適切な痛み方略としては、
絶望と諦めである破滅思考。
早く治るように願う願望思考。
薬に過度に頼る医薬行動などがある。
いずれも過度に意識することで、
交感神経が優位になったり、
筋の過緊張が生じて痛みは増強しやすくなる。
また依存心が強いのも同様の影響に作用する。

また認知の歪みでもいくつかあるが、
いずれも偏りの強い考えがストレスを生み出す。
感情的な決めつけや、悲観的な考え、
黒か白かのこだわりなどが悪影響を及ぼす。

まとめ

腰痛においても心理的な要因の影響は大きい。
感情的な思考は交感神経が優位になりやすく、
疼痛が増強しやすい。
また動くことの恐怖心を増強させることで、
かえって回復の阻害をしてしまうことになる。

高いエビデンスレベルのある認知行動療法では、
考え方である認知と、行動に働きかけ、
疼痛行動を抑制し活動性を高めていく。

感情的な極端な判断はストレスを増強させ、
行動を抑制するため回復を阻害させやすい。
できるだけ安心した状態で、
どうすれば楽に動けるかを
考えていくことが重要である。

Photo by Brooke Cagle on Unsplash

広告

ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。