整形外科学のシンデレラ

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筋膜は今まであまり注目されなかった。
背景には医学の基本となる解剖学では
いかに筋膜を綺麗に取れるかが重要であった。
中に入っているものの構造や機構を研究するのが、
解剖学で重要なのだが、
筋膜はそれらの包みのようなものと考えられていた。
要するに邪魔なものとして扱われていた。
キャラメルでいうところの包み紙。
キャラメルは大事だけど包み紙は当然捨てる。
そういった感覚である。

筋膜は鍼・カイロプラティック・
オステオパシーなどの分野で仮説を元に発展してきた。
30年前のリハビリテーション医学の研究は、
解剖学・運動生理学を元に筋力強化や
運動療法に関するものが主であった。
それに対し軟部組織の障害や
筋膜に関する研究は不足していたのが背景にある。

この何十年も軽視されてきた筋膜は、
”整形外科科学のシンデレラ”とも言われている。
神経研究においての神経膠(グリア)の研究も
急速に行われてきたのと同様に、
この筋膜も過小評価されてきたものが、
重要な役割を担っていることがわかってきている。

国際筋膜研究学術大会は2007年に
ハーバード大学医学大学院で初めて行われた。
その後、2009年にアムステルダムで2回目が行われ、
2012年にバンクーバーで3回目が行われた。
Ovid MedlineやScopusにおける論文の数も、
1970年代と80年代は年間200本だったのに対して、
2010年には1000を超えてきている。

“整形外科学のシンデレラ”と言われる筋膜の研究を元に、
今後どのようなアプローチを展開していけば良いのか。
可能性はさらに広がりを見せるものと思われる。

まとめ

筋膜が注目をされなかった背景は、
解剖学では見る物の包み紙のような扱い。
いかに綺麗に剥がせるかが重要であった。
現在は研究も進み、学術大会や論文も増えてきて、
様々な可能性があることがわかってきている。
この”整形外科学のシンデレラ”の研究を
今後どのように臨床に生かすのか。
可能性は広がってくるものと思われる。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。