賃金が上がらない背景

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バブル崩壊から1990年代以降、
賃金の上昇は思うようにいかない。
1990年平均年収は425万2000円から、
1997年に一時的に467万3000円をつけるものの、
その後は再び下降し2017年では432万2000円。
1990年から2017年を比べてプラス7万円程度。
世界的な物価の上昇を受けることで、
消費者は厳しい生活を実感している。

他の指標を見てみると、
OECDのデータを基に全労連が
作成した2016年実質賃金指数では、

スウェーデン   138.4
オーストラリア  131.8
フランス     126.4
ドイツ      116.3
アメリカ     115.3
日本         89.7

1997-2016年の間で
先進国アメリカ・ドイツが1割増に対して、
日本は1割以下の下落である。

史上最長の好景気と言われ、
有効求人倍率の増加、新規雇用者数の増加が
認められるが実質賃金の下落は
なぜ生じるのであろうか。

労働者派遣法の改正

バブル崩壊後、企業は業績悪化してきた。
それに伴い、労働者派遣法の改正が行われ、
非正規雇用が行いやすくなった。
人件費削減をし、企業を守ったのである。
日本はアメリカと比べ人員カットというのは
悪い印象を与えるためあまり行わない。

その代わり賃金で調整して雇用を維持する。
人は育てていく資産であるといった考えから、
雇用さえすれば賃上げは
贅沢と考え方が変化してきている。

規制緩和の遅れ

また規制緩和の遅れも影響が大きい。
規制緩和が遅れたことで、
新規参入が阻害され価格競争が行われなくなった。
公共料金・通信・交通・エネルギーの値段は
高止まりとなり、
製品・サービスといったスーパー・コンビニ・
宅配・外食といったものは低止まりとなり、
低賃金労働者を増加させることになる。

内部留保

サービス業は生産性が低く、競争が強い。
それに打ち勝つには低賃金化は避けられない。
さらに日本の労働組合は欧州のように
産業ごとにあるのでなく、
企業ごとにあるので忖度が生じやすい。
労働組合の弱体化により、
人件費は削減され、内部留保をとるようになる。
現在の日本の企業の内部留保は507兆4454億。
1年のGDPに匹敵する。

海外進出の遅れ

日本の人口が今後減少することを考えれば、
内部留保ではなく海外進出が重要である。
グローバル社会で顧客のシェアを
他国に広げることができれば、
企業の成長はさらに加速することができた。

日本の企業は労働派遣法の改正と、
規制緩和の遅れから人件費の削減と
内部留保を選択した。
バブルの恐怖から守りに入ってしまったのである。

その結果、海外進出が遅れ、
日本の大手家電企業は買収され、
携帯部品のシェアは奪われた。
守りに入っている間に、
世界は大きく変化し動いたのである。

人口減少

未来の予測は難しいがその中でも、
大きくぶれないのが人口の統計である。
内閣府の平成31年1月25日統計によると、
完全失業率の低下は25年ぶりの低い水準。
有効求人倍率は1974年1月ぶりの高水準。
正社員の有効求人倍率は
データ収集以来初の1倍以上となっている。
これは人手不足の表れとも言える。
人手不足だから企業も辞めて欲しくない。
人手不足だから人を入れたい。
そういった状態が数字で表れている。

また新規雇用者数の伸びは非正規雇用と
女性パートタイマー増であり、
人口減少の対応の結果とも言える。

人口減少は今後日本に大きな課題としてのしかかる。
人口減少の対応として、
非正規・パートタイマーの雇用、
そして外国人の受け入れ枠の増加、
今までリタイアしていた60歳・65歳の雇用を
格安で働き続けるように促している。

まとめ

バブル崩壊後、日本の賃金上昇は
思うようにいっていいない。
これは先進国アメリカ・ドイツが1割増に対し、
日本は1割以下の下落していることから明らかである。

労働派遣法の改正で非正規雇用が行いやすくなり、
規制緩和が遅れたことで、公共料金・通信・交通・
エネルギーの値段は高いままとなり、
製品・サービスといったスーパー・コンビニ・
宅配・外食といったものは低いままとなった。

企業は人件費を削減できたが、
海外進出でなく内部留保を選択したため、
人口減少が進む国内での利上げは減少、
海外でのシェアは奪われていった。

内閣府の統計では完全失業率の低下は減少、
有効求人倍率の増加が認められるが、
これは人手不足の表れと解釈できる。

また新規雇用者数の伸びは非正規雇用と
女性パートタイマー増であり、
外国人枠の増加、リタイアしていた60歳・65歳の
雇用の増加など人口減少の対応が目立っている。

今後、人口減少が進むことは間違いなく、
国内のみのシェアでは生き残ることは難しい。
グルーバル社会で
どのように世界のシェアを取っていくのか。
攻めの経営が必要になっている。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。