アプローチの手段と目的

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アプローチを行う時に痛みを軽減させるために、
筋や関節の硬さを改善する、
いわゆる「ほぐす」ということはよく用いる。

確かに短期的に痛みを軽減させることとして有効で、
また可動域改善することで
よい姿勢を取りやすくなることも期待できる。

ただあくまで短期的には効果的ではあるのだが、
大切なのは長期的には
患者のセルフコントロールに他ならない。
一度ほぐして痛みが軽減し可動域が改善したとしても、
同一肢位が続いたり、不良姿勢になると、
再び同じように悪化してしまうことになる。

あくまで手助けとして、
「ほぐす」ということは有効で、
可動域改善の観点からは必要である。
しかし、それだけになってしまえば
アプローチをしなければ
悪化することを繰り返してしまう。

要するに療法士がいなければ
生活に支障が出てしまう状態である。
これは望ましい結論とは言えない。
患者は療法士に依存した状態である。
できれば自分で硬くならないような生活を、
患者自らが考え調節し、
ほぐさなくてもよいカラダの使い方ができるのが
ベストではないだろうか。

短期的には「ほぐす」ことも有効であるが、
長期的には「セルフコントロール」を目指すことが、
重要だと考える。

また患者の関わり方も考える必要がある。
患者の満足度のみを考えれば、
気持ちの良いマッサージをして楽しい会話をしていたら、
満足度は高くなることは間違いない。
しかし、それではただの「いい人」で終わってしまう。
プロ、専門職とは言えない。
患者も依存してしまい自らのコントロールは難しくなっていく。

プロ、専門職として考えるのであれば、
患者のニーズを把握するためや、
どのような日常生活を過ごしているのか、
その価値観や考え方を知るための会話は重要である。
会話が会話のためではなく、
患者が自立するための糸口を知る手段として、
用いる必要がある。

まとめ

痛みの軽減や可動域の改善のために
短期的には「ほぐす」ことは大切である。
ただ長期的にはほぐさなくてもよい
カラダの使い方をすることが大切である。

患者の関わり方も重要である。
マッサージと楽しい会話で依存を増強させるのは、
プロではなくただの「いい人」である。
プロであれば自立できるよう手助けし、
最終的にはセルフコントロールを目指していくべきである。

これらは「手段」と「目的」の話になる。
ほぐすのも会話もあくまで手段である。
それが目的になってはいけない。
目的は自立してセルフコントロールできるようになること。

この「目的」はそう簡単なものではない。
患者や療法士との関係性とともに患者本人が、
どのように感じどのように動くか。
常に自問自答しながら進める必要があるのかもしれない。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔
岡山のクリニックで理学療法士として勤務。
“痛み”に対して
日常生活のコントロールの重要性を提唱している。