加齢と循環・代謝の変化

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加齢により身体は様々な変化を生じる。
循環や代謝において大きな変化としては、
動脈機能、自律神経機能、インスリン抵抗性がある。

動脈機能

動脈機能では動脈硬化や
中膜の弾性線維の変性による構造的な変化が挙げられる。
これにより安静時では収縮期血圧が上昇し、
拡張期血圧が低下する1)。
拡張期血圧の低下に関しては大動脈弁の硬化に伴う、
大動脈弁閉鎖不全の合併も指摘されている2)。

運動時では拡張期血圧は変わらないものの、
収縮期血圧は上昇し、血圧差が増大する3)。
心負荷が増大するため左心室肥大が生じる。
さらに心間質組織の線維化、圧受容体反射の減弱、
心房ペースメーカー細胞の脱落4)、
β1受容体の反応性低下2,4)などが生じる。

自律神経機能

自律神経では交感神経・副交感神経ともに
働きが低下5,6)するが、
特に副交感神経の働きの低下が強い。
血圧調整による圧受容体反射も低下するため、
起立性低血圧が生じやすくなる。
起立性低血圧は65歳以上では約20%、
75歳以上では約30%の割合で生じる7)と言われる。
また運動後の心拍数が増加しにくい8,9)ので、
脈拍のみのバイタルチェックでは、
異常のチェックができないことも注意する必要がある。

インスリン抵抗性

インスリン抵抗性は18~85歳までの間に、
25%低下する10)と言われる。
ミトコンドリアの機能低下に伴い、
骨格筋・肝臓での脂質代謝の停滞が生じ、
志望の臓器蓄積がインスリン代謝の低下に関与する。

まとめ

このように加齢により体には様々な変化が生じる。
循環や代謝においては、
動脈機能・自律神経機能・インスリン抵抗性などが生じる。
それに伴い運動によるリスクも生じる可能性が高くなるため、
血圧、脈拍のバイタルチェックは重要になる。
また脈拍のチェックは機器なしで容易に行うことができるが、
高齢になると心拍数が増加しにくい側面を考えると、
血圧もチェックする必要がある。

1)柿山哲治,他:成人男性における運動習慣および大動脈伸展性が
収縮期血圧に及ぼす影響.体力科学47:313-326,1998
2)神出 計,他:血行動態の加齢変化.日本臨牀 63:969-972,2005
3)Julius Set al:Influence of age on the hemodynamics response
to exercise.Circulation 36:222-230,1967
4)Lakatta EG:Deficient neuroendocrine regulation of the
cardiovascular system with advancing age in healthy humans.
Circulation 87:631-636,1993
5)島津智一,他:自律神経の加齢変化.日本臨牀63:973-977,2005
6)Ziegler Diet al:Assessment of cardiovascular function:age-related
normal ranges and reproducibility of spectral analysis, vector analysis,
and standard tests of heart rate variation and blood pressure
responses.Diabet Med 9:166-175,1992
7)Robbins AS ,et al:Postural hypotension in the elderly.J Am Geriatr
Soc 32:769-772,1984
8)早野順一郎,他:心拍変動による自律神経機能評価とその応用:加齢と
心臓迷走神経機能.自律神経34:207-213,1997
9)Shannon DC,et al:Aging of modulation of heart rate.
Am J physical 253:H874-H877,1987
10)Iozzo P et al:Independent influence of age on basal insulin secretion
in non diabetic J coin Endocrinol Metab 84:863-868,1999

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。