凄腕セラピストはココが違う

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凄腕セラピストと
イケてないセラピストの違いは何だろうか。
患者のニーズに応え、
患者の最も問題となる部分に
アプローチできることではないだろうか。

そのために必要なのは
「”何”が起きて”どのくらい”で良くなるか。」
そして性格や仕事を考慮して、
どういう形の指導にするかを
イメージできることが大切である。

さてこれらを問題なく行うためには、
問診と評価という
基本にかえらなければならない。

どんなにアプローチの技術が高くても、
問題が明確に把握できていなければ、
効果は限定的となる。
また的外れの多くのアプローチを行い、
無駄な時間がかかってしまう。

問診と評価をいかに的確に行うかが、
アプローチ以前に大切な事柄になる。
そしてそれらの情報を統合していく
クリニカルリーズニングが、
セラピストの力量といっても過言ではない。

問診

クリニカルリーズニングは例えると、
「冷蔵庫のプリンを
誰が食べたか探るようなもの」である。
一体誰が食べたのか。
プリンがなくなったのはどのタイミングか。
その時間に家にいたのは誰なのか。
そしてプリンを食べる可能性の高い人物は
一体誰なのか。

妻は甘いものが好きで、
今までも何度か勝手に食べたことがあった。
可能性は高い。
娘も甘いものは好きだ。
ただ最近はダイエット中と聞いている。
決めたことは割と守ることのできる子だ。

この時点の推測で妻を犯人にしてしまうと、
相手を傷つけてしまうか。
自分が干されてしまう。
相手と会話の中から事情聴取していく。
家にいたのは誰か。
冷蔵庫を開けることができたアリバイを探す。
それが問診である。

話を戻すが問診はクリニカルリーズニングの
はじめの一歩である。
患者の訴えを聴くのと同時に、
表情や仕草、声のトーンやスピードを確認し、
心理状態や人格特性も把握していく。

患者の痛みの訴えは主観的な尺度であるため、
心理状態や人格特性によっては、
痛みをより強く感じたり、
より強く表現する可能性があるためである。
また話した言葉を元に説明することで、
相手の理解にも繋がりやすくなる。
どのような言葉、どのような例えをするかは、
人それぞれに合わせる必要がある。

この問診で聞き出すポイントは、
「どこがどうした時にどんな痛みがするか。」

「どこ」は解剖学である。
「痛いところを触ってもらえますか?」
この質問によりどの部位でどの範囲なのかを把握する。
指で指す場合は急性もしくは表層の問題。
手のひらで指す場合は
慢性もしくは深部の問題と分類できる。

「どういうした時」は運動学である。
「どういう動きで痛いですか?」
「どういう姿勢が楽ですか?」
これにより動作と症状の関連性が把握できる。
痛みが悪化する運動方向と、
痛みを回避する運動方向の理解は、
アプローチのヒントになるとともに、
日常生活指導の材料にも大きく関係する。

「どんな」は生理学である。
「どんな痛みがしますか?」
なかなか痛みの表現が難しい時も少なくない。
表情や仕草である程度推測も可能であるが、
選択肢を用意するのも有効である。
「ズキっとするそれとも重だるい感じですか?」
これにより急性なのか慢性なのか予測できる。
また「ジンジンして痺れるような」という場合は、
筋力と感覚検査を行い、
神経系の問題かの鑑別につなげていく。
特に大切なのは症状が急性なのか慢性なのか。
これにより運動を回避するべきか、
活動性を増加させるべきかが決定する。

評価

問診で
「どこがどうした時にどんな痛みがするか。」
を確認し生活の中で症状が
どう関係するかを把握することができる。
そしてさらに問題となる組織を絞り込むのに、
評価が必要になる。

評価では様々な検査法がある。
ざっくり説明すると、
特定の筋肉や関節、神経に対して、
動かしたり、ひっぱったり、押したりして、
その症状を確認したり、
セラピストの手の感覚から情報を得たりする。

問診と評価により、
何が起きてどのくらいで良くなるのか
推測することができる。
どの組織が現在どのような病期(急性か慢性か)
か把握することでおおよその改善時期も予測できる。

軟部組織の損傷であれば、
おおよそ1ヶ月半で70-80%程度。
組織の修復は表層から深層に広がっていくので、
圧痛の深さにより回復度合いも把握できる。

ただこれにより状態を具体的に把握できても、
根本的な原因というのは見えてこない。
「何がきっかけで痛くなったのか。」
これは画像所見、血液検査、理学療法評価では
不明なままである。

最も重要な根本的な原因は日常生活に潜んでおり、
生活指導もここが1番のポイントである。

 

まとめ

凄腕セラピストは
「”何”が起きて”どのくらい”で良くなるか。」
これを問診と評価から導き出し、
そしてアプローチと生活指導で、
症状をコントロールすることができる。
これは「冷蔵庫のプリンを誰が食べたか」
を推理するのに似ている。

問診で
「どこがどうした時にどんな痛みがするか。」
を把握すること。
これは解剖学・運動学・生理学が関係する。
解剖学が「どこ」運動学が「どうした時」
生理学が「どんな」を表す。

評価で
特定の筋肉や関節、神経に対して、
動かしたり、ひっぱったり、押したりして、
その症状を確認したり、
セラピストの手の感覚から情報を得る。

この評価と問診で
「”何”が起きて”どのくらい”で良くなるか。」
を把握できる。どの組織がどの病期か。
それがわかれば生活指導につながる。

クリニカルリーズニング。
それは何気ない会話の中から、
患者の生活と症状を結びつけ、
改善に導き出す素晴らしいツールである。

Photo by Toa Heftiba on Unsplash

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ABOUTこの記事をかいた人

藤原大輔 岡山のクリニックで理学療法士として勤務。 "痛み"に対して 日常生活のコントロールの重要性を提唱している。